正派薩摩琵琶 後藤幸浩

プロフィール

1960年、熊本市出身。

最初にふれた音楽は、父親が趣味で歌っていた歌謡浪曲、母親に手ほどきを受けた詩吟、オルガン教室のオルガン、クラシック音楽の入門曲など。

小学校6年生時にギターを始め、フォーク、ロック、ブルーズにのめり込むことに。

高校3年のときに参加した、アフロ・アメリカンのブルーズ・ギターリストのクリニックで、そのパワーに衝撃を受け、ギターを断念。

大学入学後、正派薩摩琵琶最後の名人といわれた普門義則 (普門院紫城) の演奏にブルーズやロック以上の力を感じ、即入門。

古典を修業しつつ琵琶、アルト・サックス、ドラムズによるグループ=ARAFAで活動。東京ニュー・ジャズ・フェス、NHK総合「われら新音楽人」などに出演、渋谷ジャンジャン他で公演。

ARAFA解散後は、琵琶本来の弾き語りを追求、現在に至る。

2009~2018年は、鶴田流薩摩琵琶・水島結子とのユニット、琵琶デュオを中心に活動、2018年に解散。

他ジャンルとの共演も、ジャズ (渋さ知らズ、板橋文夫、マイク・プライス、他) 、ブルーズ・ハープ (嶋村明徳)、大由鬼山 (尺八) 、無声映画 (弁士…麻生八咫・子八咫) 、舞踏系 (早乙女宏美、他) 、演劇 (蜷川幸雄演出「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」の琵琶演奏指導、他多数) 、吟詠伴奏と幅広い。

2003年には尺八の小濱明人、和力らとニュー・ヨーク、ロス・アンジェルス公演。

2022年公開の劇場版アニメイション「犬王」、TVアニメイション「平家物語」 の琵琶監修・演奏を担当

薩摩琵琶の古典の他、古語、現代語、方言を駆使した、濃密な語り物・歌が持ち味。現在進行系の伝統を実践中。

CDは、『琵琶デュオ / 二人囃子』『琵琶デュオ』『 後藤幸浩、小濱明人 / ミチノネ』『田舎人のうた』『琵琶の故郷~九州を奏でる』『琵琶七変幻』など。

和光大学、学習院大学非常勤講師 (日本の芸能を担当)。音楽ライターとして、レコード・コレクターズ、過去にミュージック・マガジン、ノイズ、CDジャーナルなどに執筆。

薩摩琵琶演奏家 後藤幸浩

レパートリー

*平家物語関連
「木曽最期」「那須与一」「先帝身投」「能登殿最期」「入道死去」「経正 (能の詞章より)」
*説経節、その他の物語、歌もの関連
「信徳丸」「信太妻 (子別れ)」「道成寺」「鬼になった男 (『伽婢子』より )」「桃太郎」「耳なし芳一 (後藤幸浩版、かなり脚色してあります) 」「仏は常に、うたえやうたえ、逢瀬、わが子は二十に (梁塵秘抄、閑吟集より) 」「熊凝のうた」「月の舟」 (以上、万葉集より)「黒髪 (地歌より) 」
*九州関連
「手つなぎ琵琶爺 (本妙寺事件にヒントを得た、オリジナルの怪談)」「雨夜の皇子 (熊本の民話をもとにした、オリジナルの物語)」「酒餅合戦」「琵琶の釈」「五木の子守唄」「島原の子守唄」「百足の遣い (熊本の民話より)」「炭鉱ブルーズ (ゴットン節より)」
*文学作品関連
「これなるかな、これなるかなこの琵琶よ (北村透谷『蓬莱曲』より)」「平家蟹」「髑髏舞」「弾琴」 (以上3曲も北村透谷の詩より) 「死ぬふりだけでやめとけや (谺雄二) 」
*薩摩琵琶古典関連 (昭和初期まで、正派以外のテキストも含む)
「城山」「物狂」「蓬莱山」「潯陽江」「桜狩」「花紅葉」「捨小舟」「雪晴れ」「金剛石」「別れの国歌」「特別攻撃隊」他

*節付け、作曲のご依頼も受け付けております。

薩摩琵琶奏者 後藤幸浩